全ての道は国語から!(校長だよりNo43)

 

*以前扱った問題で子供たちが一番てこずった問題です。内容は5年生の算数です。

 

ある電車に,定員より6%多い159人の人が乗っています。この電車の定員は何人ですか。

定員を〇人として,かけ算の式に表して求めましょう。

 

大人が読んでもこの問題の複雑さ・難しさを感じることができることでしょう。

「定員」「6%」「□人とするかけ算の式」まずはこうした言葉がどんな意味を持っているのか捉えなくはなりません。つまり計算力以外の力を要求されている問題です。

 

*ある民間教育団体の代表の方がその著書の中で「小学生の学力=言語能力」といった意味のことを書かれていたことを思い出しました。

「たくましく生きる力」「自分で問題に立ち向かえる力」など,『学力』という言葉はいろいろな使われ方をしますので,ここでいう学力とは非常に狭い意味での学力をさしたものです。 国語の力が全ての教科の礎になっていることを感じずにいられません。

 

頼り上手のススメ

*困っている友達を見たら『助けてあげる気持ちを持つ』ことはどの子にも身につけて欲しい力です。

そしてそれと同じように,いやそれ以上に

『困っている時や助けが必要な時に友達に助けを求められる,友達に頼れる』

という力を身につけてほしいと思っています。

ですから学校では子供たちに常日頃『大変だったら友達を頼りなさい。声をかけて一緒に仕事をやってもらいなさい。』と話しています。

 

*そういえば昔,算数や国語で難しい問題にあたる時などにはよく冗談めかして

『ホラ,周りをよくみてみろ,算数がすごく得意って友達がいるだろう?どんどん教えてもらえ』

とか

『自分の隣にいる漢字博士にヒントをもらいなさい。』などといって『分からない立場』にいる子の方を動かすように心がけたものでした。

 

*担任時代こんなこともありました。

給食の時間です。クラスの中ではおとなしいタイプのAさんが日直の日。

みんなの机拭きをするのですがAさん自身も前の授業の片付けなどがあって明らかにこの日は『出遅れ』ていました。

このままでは食器や食缶の方が先に到着してしまうのは目に見えています。

さぁ,どうするのかなぁと見ていたのですが,AさんはおしゃべりをしていたYさんに声をかけました。

Yさんも仲の良い友達とおしゃべりの真っ最中という感じだったのですがすぐにAさんに手を貸してくれました。気持ちの良いやり取りが見られました。

 

*担任が声をかければすぐに多くの子が動いてくれることだとは思いますが,『見て見ぬふり』もたまには良いものだなぁと感じました。

これからの時代を生き抜く子供たちには『頼り上手』になってほしいと思っています。

お互い様の世の中ですから。