礎をつくっている誇りを(校長だよりNo20)

このコラムは,以前山日新聞に掲載されたものです。

インターネットは無機質と思われていますが,むしろおどろおどろしく,生々しい感情がやりとりされる可能性があるのです。

パソコンやメールを使うのは「人間」なのですからパソコンの使い方だけでなく,人との接し方や気持ちのくみ取り方を学ぶ「人間への教育」を考えるべきでしょう。

 「人間への教育」とはかつては家族の中や遊びの中で学んだことです。

今は学校から帰ると,塾に行かなければならず,遊ぶ時間が減っています。意図的にでも,人と遊ぶ時間と空間をつくらねばなりません。                    

                             桑原知子 京都大学助教授

 

*学校で長いこと取り組んでいる活動の1つに「たてわり班」というものがあります。

学校によっては「ファミリー班」と呼んだり「なかよし班」などと呼んだりしています。年齢が違う子供たちの活動ですので,こうしたグループはひとくくりにすると「異年齢集団」となります。

 

*昔は,遊びの中でこうした異年齢の「群れ」はどこのまちでもみられました。自分の経験で恐縮ですが,神社やお寺,学校の校庭にそれこそ,小学校1年生から6年生までが群れて遊んでいたものでした。そのコミュニティの中で,善いことも悪いことも一通り教わったり,教えたりしたものでした。

もう少し話が逸れますが,その「群れ」で一番よく遊んだのは「けいどろ(「どろけい」と呼ぶ地域も有ったようです)」でした。50年前の話ですが,今でも「あれは,俺たちが創りだした遊びだ」と言ってはばからない同級生もおります,

 

*話を戻します。本校の「たてわり班」は,1年生から6年生までが4色の色組に分かれて活動(主に遊び)するというものです。

呼び名はともかくとして多くの学校がこうした「たてわり」の時間を意図的に設けています。

たてわりの活動などは,効率や能率だけを追究するならば,単独の学年だけで行った方がよいかもしれません。しかし,「異年齢の活動」に教育的な価値があると本校職員は考えています。

 

*学校の外に異年齢で交わる機会が薄れてしまった昨今,たてわり活動が学校の良さとしてにじみ出て来るのには,時間がかかるかもしれませんが『その礎をわたしたちが築いている』という誇りを6年生には感じてほしいものです。

「手前みそ」のような話で恐縮ですが・・・本校の6年生は,集団として本当に素直で真っすぐ物事に取り組む良さを持っています。目には見えない双葉東の伝統と双葉東文化の担い手です。

今月行われる「運動会」では児童会種目が実施される予定です。

6年生からは「リーダーシップ」が,他学年からは「フォロアーシップ」が見てとれることだと思います。

9月30日(土)の運動会では,そうした様子も是非御覧ください。

 

※運動会の詳細については,後日あらためてお知らせいたします。