SOSの出し方(校長だよりNo35)

*私が「さすがだな」と思う教師は誰一人として授業中に「分かりましたね」と念を押すような言い方はしません。「よくわからない人はいますか?」とか「困ったことがありますか?」と子供に投げかけます。

*山梨県ではたらく公立の教員には山梨県が目指す「学び続ける人」,「共に生きる人」,「未来を拓く人」の育成に向けて重点的に取り組むべき指針が示されています。

その中のキーワードに「SOSの出し方に関する教育」というものがあります。

背景には,子供を取り巻く環境が大きく変化する中で,困ったことがあっても「助けて」が言えない,SOSが出せない子供が多く存在するだろうという考え方に立っています。

 

*堅苦しい言葉におきかえると「援助希求的態度の育成」だそうですが,心の危機への対処方法として他者に援助を求めることの重要性を知ったり,友人の危機に気付いた時の対応方法等を学んだりします。(時には子供同士のトラブルを解決する中で自然に学んでいきます。)

 

*さて,この「援助希求的態度」である「困ったことがあったら自分の口で言うんだよ」は,どの家でも普段から話されていることかと思います。学校も同様です。

 

*私が「さすがだな」と思う教師は誰一人として授業中に「分かりましたね」と念を押すような言い方はしません。

「よくわからない人はいますか?」とか

「困ったことがありますか?」と子供に投げかけます。

そして安心して自分の困りごとや失敗を話せる雰囲気をその学級につくりあげます。

 

*大人であれ子供であれ「救いの手を差し伸べる」よりも「救いの声を発する」ことの方が難しいような気がします。

体調不良時の訴えに限ったことではありませんがSOSが上手に出せる子供の育成にどうぞ御協力ください。