テストによって測ることの出来ない力(校長だよりN047)

*3月になりました。ようやく春の兆しが見えてきたような気がします。

全ての学年が3学期だけではなく,1年間の締めくくりをします。

 

*世界に目を向けると,戦争のニュースが毎日報じられています。

子供から見たら賢いはずの大人が起こしています。

大人から見たら未熟かと思える「ごめんね」「いいよ」という子供の世界が麗しく思えます。

 

テストによって測ることの出来ない力

*人間の能力,実力には「テスト」によって測ることが出来るものと,「テスト」によって測ることが出来ないものがあります。どちらが大切かと言えば,両方とも大切だと思えます。

しかし,「どちらか一つだけ」というなら「テストによって測ることが出来ないもの」を選ぶ人が多いことでしょう。それは「テスト」が悪くても「テストによって測ることの出来ない力」を持った子ならいつかは克服をすることが可能だからです。

小学生のころテストの点数が悪くても,あとになって伸びていったという子はいくらでもいます。

 

*「テストによって測ることの出来ない力」を持っている子なら,多少「ワンパク」でも大丈夫だと思っています。それよりも逆の場合が問題なのです。

つまり「テストの点数がいい子」でありながら「テストによって測ることの出来ない力」が不足している子が問題なのです。「テストの良さ」によってはカバーしきれないものがあるからです。

「テストだけが良くて,ほかに何も出来ない人間」の存在が企業などで問題になっていますが,まさにそれです。

 

*では「テストによって測ることの出来ない力」とは何でしょう。

それは体験することによって身についていく能力です。

たとえば目的を達成するまで工夫するという力です。

いろんな人の中では我慢しなければならないこともあるという体験です。

自分のやろうとしていたことが達成出来たときの喜びです。

あるいは,思うようにならなかったときの悔しさです。

このような力は「テスト」では得られないのです。一つ一つの体験の中で身につけていくものです。

 

*生活体験を豊かにするにはちょっとしたコツがあります。

例えばお使いをさせる場合にも,ただ「○○を買ってきて」と頼むのではなく「一番安い所で」「新鮮なものをお願い」など一つの課題を与えると良いと言われています。

あるいは「二つの店を回って調べてから買ってきて」と頼むのもいいでしょう。

つまりは子供たちの知的好奇心をちょっとくすぐってやるようなスパイスがあると良いようです。