思春期をうまく乗り越える その1(校長だよりNo44)

*2月8日(木)卒業式まで、あと26日。

この日,双葉中に進学する6年生が入学説明会に参加しました。

今回は,主に,高学年の子に当てはまる話となります。

 

*最近になって我が子が親の言うことを聞かなくなったり,何を考えているのか分からなくなってきたりしてきたと感じている保護者の方はいないでしょうか。

第二次性徴の始まりとともに,心も変化しいわゆる「反抗期」というのが始まります。

個人差はありますが,特に女の子はこういった現象が現れるのが男の子よりも早いと言われています。

我々大人は,当然のことながら「思春期という時期」を経過し,大人になりました。

しかし,思春期を迎える我が子に対してどのように接していけばいいのかについては,「経験知」しか知識を持っていません。

 

*「思春期」という言葉があります。

これは医者がつけた名称です。どうしてつけたかというと,その時期になるとたくさんの子供達が心の悩みをもって医者に相談にきます。それで仮にそのような名称をつけたのだそうです。

医者ですから生物学的に定義します。そうすると極めて明確な定義が当てはまったのです。

思春期というのは,「身長が急激に伸び始めて止まるまでの時期」というように定義しました。

これは男の子でも女の子でも皆そうです。もちろん人によって違いがあります。

ある子は5年生ぐらいから始まりますし,ある子は中学1年生から始まります。

 

そして,思春期というのは,心の問題として明確な4つの特徴をもちます。

 

第1は,今まですばらしいと思っていた価値観がそうでないという価値観に変わります。

 たとえば,教師の言うことを聞くのがいいと思っていた子が,教師の言うことなんか聞かないほうがよい,それがかっこいいんだというようなことを受け入れていきます。

今までの価値観とはまったく正反対の価値観の方がよいのではないかということが生じるのです。その程度は様々ですが多くの子にみられます。

 

第2は,夢とか憧れに対して強烈に望むようになります。

 通常それは人を介して行われます。ちょっとした先輩,先達という言葉がありますが,自分の先をいっている人を見本として,そういった夢を望むようになります。例えは悪いのですが,この時期に,暴走族のお兄ちゃんが思春期の子供達の夢の対象になってしまうと,あっという間にその子供は暴走族になってしまうわけです。

 

第3は,本当の友達が欲しくなります。

 

第4は,自分を受け入れてくれる人を欲するようになります。

思春期の子供達はどこかで心の脈を求めています。何でも受け入れてくれる人を欲しています。

 

*この4つ全部もっていて思春期なのです。どの子にも思春期は必ずやってきます。

子供にとってとても大切なこの時期,うまく乗り越えさせることのできる大人でありたいものです。

ところで,子どもの成長にとって

「いいところを伸ばす」「欠点を直す」,どちらが大事なのでしょうか?

(次週 思春期をうまく乗り越える その2へ)