さりげないことなれど(校長だよりNo42)

*出勤時のことです。

私は甲府方面から車で通勤をしています。その日も大屋敷の信号から学校に向かう途中,多くの登校班の様子を目にしました。

楽しげに話している班もあれば,班長を先頭に脇目もふらず歩いている班,ちょっといただけませんが列が乱れている班もあります。

比較的広い歩道があるのでありがたいのですが,たまに下校時,車道と歩道の間にある縁石の上を低学年の子が歩いていて危ないというご指摘をドライバーの方から受けることもあります。極めて危ない行動です。

 

*この日の登校時の様子で感心したのは,(旗を持っていたので班長もしくは副班長かと思われますが)高学年の男の子が縁石に近づく低学年の子をそっと安全な位置に戻るよう促していたことです。ニコニコしながら・・・。

正直言うと,学校は登校班がもとで起こるトラブルは決して少なくはありません。

集団登校において,班長や副班長には特段何らかの責任を負わせることはないのですが,この日の光景は,優しさとともに責任感も持ち合わせている児童がいることを麗しく感じました。

 

意識の違い

*ある本に次のようなことが書かれていました。

それは親と子の意識の違いについて,大きな落差があるという内容のものでした。

 「お子さんをよくほめる方ですか」

  「家でお家の方からよくほめられていますか」

それぞれの問いかけをお家の方,子供にしたそうです。

本当の親子ですから答えは一致しているはずです。

ところが女の子の場合はそれほどハッキリした違いはありませんが,男の子の場合は親子で極端に違いが出たというのです。

 

*親は子供のことを「ほめている」と思っているのですが,子供は親からそうほめられているとは受け取っていません。これはどちらが正しいのか,ということよりも親はそれなりにほめているにもかかわらず,子供はほめられていないと思っているところに大きな問題があります。

 

*例えば,プールで初めて泳げた子が喜び勇んで帰ってきた時,お家の方は,どんな声かけをするのでしょうか。

「わあ,すごい。よくやったわねえ」

とほめると思うのですが,その後,多くの方が多分,

「今度は10メートルをめざして頑張ってね。」

と続けるのではないでしょうか。このとき,子供は「ほめられた」と感じるのではなく場合によっては「がんばれ」とお尻をたたかれたと受け取るというのです。

 

*ここら辺のタイミングが大切です。

昔から「三つ叱って七つほめろ」ということわざがあります。

しかしどうもこれが逆になっているようです。

ややすると「七つ叱って三つほめろ」になりがちなんてことないでしょうか。

子供が努力した時,あるいは進歩を見せた時,そんな時にこそケチらずに,思い切りほめてあげられるようになりたいものです。

それが子供をのばすコツであり,非行を防ぐことにもつながるというのです。

もちろん,教師しかりです。