学校雑風景(校長だよりNo15)

*前にあったできごとです。休み時間,職員室に5,6人ほどの1年生が校庭から駆け込んできました。

みな,かなり興奮しています。良く見ると1人の男の子が大きなカマキリを持っています。

その子を取り囲むようにして周りの子の視線もカマキリに集中しています。

興奮が抑えられなかったのか,下足のまま職員室に入っている子もいました(笑)

*さて,捕まえたカマキリを自慢したい,何としてもこのカマキリを持ち帰りたい,そんな思いであることはすぐに分かりました。あいにく,職員室に虫かごはないので,その場にいた先生がビニル袋を一枚渡しました。

 

*これでとりあえず,教室までは持ち帰れそうです。

ここで,誰かが言います。「息ができなくて死んじゃうよ。」

別の子が言います。「穴あければ大丈夫だよ。」

たたみかけるようにまた別の子が「え,でも穴あけたらそこから逃げちゃうよ。」

「袋をゆるくもてば・・・・」しばしその様子をはたから眺めさせてもらいました。

担任の先生も余計なことは言わずに微笑んでことの成り行きをみています。

『(あ~平和な時間だなぁ)』

 

*こんなやりとりは子供の世界では日常的に起きています。

それがもとでいさかいになってしまうこともあります。

でも,時として大人が簡単に正解を与えず静観することも必要な気がします。

『お互い様』の関係の中で折り合いをつける力,育てたいものです。

 

*さてあと数日で夏休みになります。各ご家庭でも,既にあれこれ予定を立てていらっしゃることでしょう。子供たちには,長い休み楽しい思い出をたくさんつくってもらいたいものです。

 

*休み中は自分で過ごす時間が増えることでしょう。また,行動範囲もかなり広がるものと思われます。

お金の使い方について,是非,ご家庭で把握していただきたいと思います。

お金の貸し借りなどのトラブルは小学校低学年であっても見られます。

子供が出かけたときにどのくらいのお金を使ったのか,友だちとの貸し借りはないのかなど,是非,気をつけて目をかけてください。「おごったり,おごられたり」もとても心配です。

自分で与えられた範囲のお金を使う練習をするのも正しい金銭感覚を養う上では,非常に大切な経験になります。

 

*時間の使い方についても,自由な時間がある夏休みだからこそ,子どもたちに考えて取り組ませたいものです。時間は十分あるのに意外に何もせず,ぼうっと半日くらいゲームをしたりテレビを見たりする子供もいそうです。時には,何も考えずにのんびり過ごすのも良いことですが,毎日毎日何も考えずに過ごし,あっという間に2学期になってしまった・・・では,やはり夏休みを終えての充実感は得られないでしょう。

 

*お金と時間。これはどちらも自分でうまく使いこなせるようにしていくものです。しかし,大人の私たちにとっても難しいことです。なぜなら,どちらもうまく使いこなすには自制(我慢)や様々な判断が必要になるからです。

だからこそ,大人が徐々に子どもたちに伝え,時に教え,賢く使いこなせるようにするため,目をかける必要があります。「いきなりやれ」では無理です。この夏休み,そんな視点を持って子どもたちに接していただければ,子供たちも,一人の生活者として成長していくのではないでしょうか。

「あ~,もう少し夏休みがあればなぁ」なんて2学期始業式の日に口にすることがありませんように(笑)