核は固定してはならない (校長だよりNo25)

*体育授業参観という大きな行事が待ちかまえています。コロナ禍によって大きく内容は変更していますが,クラスで,学年で取り組むこうした活動の中でこそ,子供たちはいきいきと動き,鍛えられていくものです。そうした中で,いろいろな子が様々な場面で活躍してくれることを願っています。

*以前勤めていた学校(我が母校 若草小 800人規模)で6年生を受け持っていた時,こんなことがありました。その日は,全校のリーダー学年として6年生が運動会の役割を決めることになっていました。運動会を支える係,色組のリーダー,全校種目のリーダー・・・・・。

その時,授業中は,どちらかというと大人しく見られがちな女の子が突如として運動会の花形『赤組応援団長』に立候補したのです。クラスのみんなを引っ張っていくということとは,全く縁遠い印象を持った子だったので本当に驚きました。教師からも周りの友達からも『突然』に映った立候補だったのですが,本人によると1年前からの構想だったと後で聞きさらに驚きました。

 

*『ホントに大丈夫?』(正直言いますと,当時未熟だった私は,「よし,がんばれ。応援するよ!」よりも不安の方が大きかった・・・彼女に対して随分失礼な思いだったのだと思います。)

*周囲の心配をよそに彼女はそれまで聞いたこともないような大きな声で赤組集団200人を引っ張りました。それから卒業までの半年間,いろいろな場面で積極的に活躍する彼女の姿がありました。

 

*学級の中にリーダー(核)を固定してはならないというのはこうした『事実』がどこの学級でも起こりうるからに他なりません。その時々に文化,スポーツ,レクレーションなどそれぞれの活動にふさわしい多くの子供が,核として認められ成長していけばいいのです。