校長だより(No15)

昔から「七つほめて三つしかれ」と言われています。 しかし,身の回りのことを考えても自分自身のことを考えても,日本人というのはどうもこの「ほめる」というのが下手なように思えます。むしろ,時として「けなすこと」「悪く言うこと」を美徳だと考えられているのではないかと思う節さえあります。

例えば,身内の紹介をするときにも「出来が悪くて・・・」などといった断りをまずつけてから話すのもそうしたことのあらわれかもしれません。                                     

 

*「弱いから負けるのではない,負けるから弱くなるんだ。」とは,相撲の二子山親方の言葉です。

敗者というのは生まれつき敗者として生まれてきたのではありません。失敗を重ねることによって,劣等感を持ち,それが貧しい自己イメージとして育ってしまった人を敗者というのです。ですから,子供を敗者にするのは簡単なことです。

子供が描いた絵や字,テストなどを見せに来たら,あら探しをして批判だけをすればよいのです。

 

*外国の映画などを見ると父親が自分の子供を紹介するのに

「どんな長所を持っているのか」

「自分の子供がどんなに素晴らしい人間であるのか」を話す場面を目にすることがあります。

文化の違いでしょうがとても良い習慣だと思えました。ほめられて悪い気がする人はないからです。

そして,ほめられることによって,子どもは良い自己イメージを持つことが出来るようになります。

 

*子供のころ,幼稚園の園服をマントにしてヒーローごっこをした経験がありませんか。

まるで,主人公になった気分で飛び回ったような経験のことです。当たり前のことですが,その人の中味は何一つかわっていません。では,マンガの主人公のように振る舞える原動力とは一体なのでしょうか。

それは,自分自身に対する「イメージ」が変わったということです。

人間の性格と言われているようなもののほとんどは,こうした自己イメージによって形成されるように思えます。

 

*双葉東小では子供自身の自尊感情をいかに高めていくかということを大切に考えています。

担任はもちろんですが,担任以外が積極的に子供の良さを見つけて声かけをするよう努めています。

自分を大切に考え,愛おしく思う気持ちを育てようというものです。家族同士というのはちょっと照れくさい面もありますが,まずは身近なところからの声かけ,賞賛をお願いします。